E3で発表されて話題になっていた「モンスターハンター:ワールド」ですが、6/20に放送された公開生放送で更に情報が公開されましたね。
まだまだゲームの全貌が見えているわけではないのですが、ここまでで公開された情報を見る限りの感想を言うと「隙が無い」です。
モンスターハンターシリーズは、PS2で発売し、PSP、3DSと主戦場を移してきましたが、これらのハードにはマシンスペックの差がほぼ無いという事もあり、システムもグラフィックも、良くも悪くも大きな変化無く続いてきました。
今回いよいよハードが3DSからPS4になりマシンスペックが大幅に上がり、ゲームとしても大きな転換期を迎えました。
人気シリーズにおいて、これはなかなか難しい時期ですよね。
極端な例ですが、ファイナルファンタジー7はPSにハードを移し、それまでのドット絵が3Dになり、FFの大きな転換期となった作品ですが、やはり「6までは好きだけど7以降はやらなくなった」という声はあります。
シリーズが続いていく以上は技術の進歩に伴ってゲームも進歩してしかるべきですが、その方法を間違えると逆効果になりそれまでのファンをも手放しかねません。
(特に今回は任天堂ハードからPSハードへの移行という事もあり、色々な意味で盛り上がっていますしw)
変化しつつも、従来のシリーズを遊んでいたプレイヤーにも違和感なく受け入れられる事が重要になってきます。
モンスターハンターは「ワールド」でどんな変化を遂げるのか。
そしてそれが、なぜ「隙が無い」のか。という視点で、現在判明している情報についていくつか挙げてみました。
1.オープンエリア化
「オープンエリア」という呼称が正しいのかは分かりませんが、とりあえずここではそう呼びます。
それまでマップは10個くらいの小エリアに区切られていて、移動の度に短いながらロードを挟んでいました。
今回このエリア制が無くなり、シームレスな広い一枚のマップとなりました。
今やあらゆるジャンルのゲームにオープンワールド化の波が来ています。
狩りゲーにおいても例外ではなくて、討鬼伝2はまさにオープンワールド化しましたし、Horizon:Zero Dawnもオープンワールドで評価を得ました。
モンハンがPS4で開発される時は、オープンワールド化されるのでは?というのが予想の一つとして常にありました。
厳密なオープンワールドではなく、今回ののような仕様となったのは、非常にバランスの良い選択に思います。
例えば前述の討鬼伝2。
私は討鬼伝2を未プレイなのであくまでネット上での評価になるのですが、「広くて密度が薄い」という声はいくつか見かけます。
オープンワールドである事の良さというのを活かせなければ、やはり「移動が面倒」等のデメリットは目についてきます。
そういった部分を見ると、モンハンワールドが取った「オープンエリア」という選択。
エリアを全てシームレスにし、マップの広さも従来の広さ自体の2.5倍という情報から、広義で言えばこれもオープンワールドと言えるのかもしれませんが、開発陣が「密度を濃くする事を意識した」というのを強調していました。
それに加えて複数個所のベースキャンプを設置し好きなタイミングでファストトラベルできるようにする事で、無意味な移動に時間を取られる事はおそらくなさそうです。
プレイ感としても、従来の「ベースキャンプからモンスターの元へ移動して戦闘」という遊び方を違和感なく継続できるでしょう。
2.世界観の構築
モンスターハンターの世界感を表現するという事は、モンスターを表現するという事でもあります。
これまでのシリーズでは、具体的なモンスターの描写を「○○の生態」といったムービー内において表現してきました。
それが「ワールド」では、まさに実際のマップ上で繰り広げられるそうです。
実機でもプレイでは、クエストとは関係のない大型モンスター「ドスジャグラス」が現れ、アプトノスを丸のみにし、素に帰って子供に分け与えるという行動を取っていました。
このような生態系を意識させるような作り込みがマップ全体に及んでいるのであれば確かに退屈はしなさそうですし、モンスターを観察したり、スクリーンショットを撮る遊びも捗るでしょう。
そして、お気に入りのモンスターにはより愛着が湧くと思います。
3.マルチプレイ周りの変更
これまでのシリーズでは、拠点で受注し、メンバーを確定し、一斉にマップへ出発するという形でした。
今回は、この長らくモンハンの根幹だった部分にもテコ入れが行われています。
一番大きな変更点は「クエストに乱入する形でもマルチプレイが可能」という事じゃないでしょうか。
他のプレイヤーが狩り中に助けを呼んだ際に、そこに介入できるシステムのようです。
そしてやはり重要なのが、従来の「拠点で集まって同時に出発」という方法も可能という事です。
従来の遊び方を担保しつつ、進化した要素も入れるというのは理想的なんじゃないでしょうか。
4.クエスト中も装備の変更が可能
これに関しては、過去のシリーズでも言われていました。
特に、拠点であってもマルチプレイヤーが合流する集会所にいる時は装備変更ができず、一度自宅に戻らないと装備が変更できないという仕様でしたので、実際不便に感じていた人も多いと思います。
クエスト中にも変更できるという事は、思いがけずターゲットでないモンスターに遭遇した際なんかにも、最寄りのベースキャンプに戻って臨機応変に装備を変更できる事になります。
5.与ダメージ数値の表示
なんと今回はRPGのように、攻撃した時に与えたダメージが表示されます。
実は、個人的にはずっと実装して欲しいと思ってました。
が、実装される事はないだろうな、とも思っていたので、全くの予想外でした。
私がこの機能をずっとあればいいなと思っていた理由は、一言で言えば「作った武器の強さが明確に分かるから」です。
モンハンは強い装備を、より強い装備を、と繰り返して進めていくゲームなので、これは何気に大きいと思います。
例えば、モンハンは討伐したい相手に合わせて装備を作ったりします。
次に討伐したいモンスターが炎に弱いモンスターだったとしたら、炎属性の武器を作ります。
そして炎属性の武器を作り、今まで使っていた装備から持ち替えクエストに挑むわけですが、実際に与えるダメージが数値で分からないので、実際の所、持ち替えた武器がどれだけ相手に有効なのかというのは分かりません。
与ダメージが表示されれば、新しい武器に持ち替えた事で与ダメージがどれだけ増えたのか一目でわかり、達成感にも繋がりますし、また武器を作るモチベーションにもなります。
更に言うとモンハンをやっていて楽しい瞬間のうちの一つに「強い武器を作った時」というのがあります。
これもやはり、苦労して強力な武器を作ったところで、実際にどれだけダメージを与えているか分からない為、「強力な武器なんだから大きなダメージを与えているハズだ」と自分で納得する事しかできませんでした。
実際に大きなダメージが表示されれば、「作ってよかった!」となる事でしょう。
また、「世界観が壊れる」等の反対意見も予想しての事か、オプションで表示/非表示の切り替えが可能との事。
やはり、従来のファンへの配慮も完璧です。
6.日本語ボイス
これもなかなかに予想外でした。
モンハンのボイスといえば、独自の言語を喋っていたのですが、今回は日本語にも対応との事。
これもダメージポップと同じように、世界観を重視する人からは反対意見もあるかもしれません。という事で、オプションで切り替えが可能との事。
更に繰り返しになりますが、やはり従来のファンへの配慮が完璧です。
7.水中
水中マップは初出が3なので、新要素というわけではないのですが、今回は水中に潜るマップもあるそうです。
が、モンハンの水中マップでの戦闘はなかなかに評判が芳しくありませんでしたw
という事で、水中での戦闘は無く、あくまで移動や探索時に潜れる、という事です。
不評な水中での戦闘は採用せず、ロケーションとして水中を実装する事でマップとしてのバリエーションを出す、まさに最適解のように思えます。
小さな事ですが、個人的には特に「隙の無さ」が伺えたポイントでした。
このように、まだまだ公開されている情報は少ないですが、現時点でかなり「隙の無い」進化を遂げているように見える、モンハンワールド。
発売が本当に楽しみになってきました。
まずは続報に期待したいと思います。