インフレはソーシャルゲームのさだめと言えます。
パズドラもモンストも、当然ながらリリース直後のキャラクターと最近のキャラクターを比べれば後者が圧倒的に強いでしょう。

余談ですが、FFRK(ファイナルファンタジー レコードキーパー)をリリース直後から遊んでいて、幸運にもセフィロスの必殺技「獄門」が付いている武器をガチャで引き当てました。
敵全体に大ダメージを与える獄門が当時最強クラスの技で、この技一つでクエストをサクサクとクリアできたものです。

その後なんやかんやで飽きてしまい、プレイしない時期が半年か、1年か?続きました。
そして久しぶりに復帰した際には、すっかりインフレが進んでいました。
最強だった必殺技「獄門」の効果は「敵全体に数千のダメージを与える」とかそんな感じだったと思いますが、その時は必殺技の上に「超必殺技」というカテゴリーが作られていて、その頃の最先端の武器は「敵単体に数千×8回のダメージ+パーティー全体に1回魔法無効バリア」とか、「敵全体に数千×5回のダメージ+7しばらく攻撃力上昇」とか、そんな感じになっていてビックリしました。

その後もインフレは順調に進み、発動後も継続して特殊な強力技を使用できる「バースト必殺技」が出てきたと思いきや、今度は9999以上のダメージを与えられる「オーバーフロー必殺技」、更に今はその上の「超絶必殺技」なるものまで存在するらしいです。
おそろしや。

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↑ 初期の頃の最強武器に付属している必殺技。
シンプルですが、当時はこれでも劇的にクエストが簡単になりました。

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↑ そしてこれが最近の当たり武器付属の必殺技。
もはや効果が多すぎて説明欄に入り切れていませんw

長期的に同じゲームを運営していくに当たって、インフレをどう扱うかというのはなかなか大きな問題だと思います。

■パズドラのインフレがモンストに比べて急激な理由

1.キャラの差別化が弱い

収益源であるガチャから継続して集金する為には、新しく追加するキャラに魅力を感じさせなければなりません。
新規キャラに魅力を感じさせる方法は大きく分けて二つあると思います。

一つ目は、既存のキャラは持ってない役割を持っている事。
二つめは、既存のキャラより単純に強い事。

前者はインフレにはならず、後者はインフレになります。
つまり「既存キャラが持てない役割」を新たに持たせる事が、パズドラでは難しいという事が原因の一つです。
というのも、パズドラって、強キャラをリーダーとしてパーティーを完成させてしまえば、そのパーティーでいろんなクエストをクリアできてしまうんですよね。

例えば、キャラの差別化の一つに、覚醒スキルがあります。それによって、「ドロップを4つ消した時に大ダメージ」「横一列で消した時に大ダメージ」「7コンボ数以上を決めた時に大ダメージ」等の傾向がきまります。
また、一番の差別化ポイントであるリーダースキルについても、「HPが○○%以下の時に攻撃力○倍」「火水木の3属性で同時に攻撃した時に攻撃力○倍」等の種類があります。
しかし、どちらについても言えるのは、「火力を出す為の方法が違っても、それによって行けるクエストが大きく左右されるわけではない」という事です。

今となっては悪名高い「曲芸士」をはじめ、「ラードラゴン」や「ミル」等をリーダーとしたパーティーを完成させれば、その当時においてはおよそ行けないクエストは無いぐらいの勢いでした。
そんな中でそれ以降の新しいキャラの価値を高めようとすれば、必然的にそれらのキャラクターより強く調整する事がファーストチョイスになります。

 

一方のモンストは、まず前提としてステージにギミックが設定されており、それによって連れて行けるキャラクターは相当狭まります。
例えば、壁に触れればダメージを食らう「ダメージウォール」、バリアに触れると動きが鈍る「重力バリア」、触れると吸い込まれ思うように動けない「ワープ」等のギミックがあり、キャラクターによって特定のギミックを無効にできるアビリティを所有しています。
つまり、「ダメージウォール」が多発するクエストであれば「アンチダメージウォール」のアビリティを持つモンスターでないと連れて行きにくいという事です。

加えて、以前の記事「【雑記】モンストがパズドラより面白い理由」の中でモンストの方が多様性に優れていると書きましたが、それによって多くの種類のキャラに活躍の場ができています。
モンストでは、主に敵にダメージを与える手段として「ぶつかってダメージを与える(直接攻撃)」「友情コンボでダメージを与える」「ストライクショット(いわゆる必殺技)で攻撃する」等があります。
当然キャラによって、直接攻撃が強いキャラもいれば友情コンボが強力なキャラ、又はストライクショットが強力なキャラもいます。

そして、クエストの中には、例えば「直接攻撃に倍率が掛かる」ものがあり、そのクエストにおいては直接攻撃力に秀でたキャラが活躍します。
また、多数の弱い敵を同時に倒す必要のあるクエストではスピードが速いキャラが活躍したり、ボスが強力な攻撃をしてくるクエストであれば強力なストライクショットを持つモンスターで一気に勝負を決めるのが有効だったりします。
ステージ構成に多様性があるという事は、それだけキャラクターの役割も差別化できるという事です。

 

2.リーダースキルの存在

パズドラのキャラクターにはそれぞれ「リーダースキル」というものがあります。
モンストと大きく違う部分の一つで、パーティーに「リーダー」があり、「リーダーの時にだけ発動できる能力」がリーダースキルです。単純なもので言うと「火属性キャラの攻撃力が5倍」とか、そんなやつです。

パズドラでは、パーティーの強さを決める上で最も大きなウェイトを占めるのが、このリーダースキルです。
そして、能力としてのインフレに最も寄与したのもこのリーダースキルです。
リーダースキルは厳密に言えばフレンド枠のキャラも発動するので、ひとつのパーティーにおいては二つのリーダースキルが発動する事になります。
という事は、例えば前述の「火属性キャラの攻撃力が5倍」のリーダースキルを持つモンスターを、リーダーとフレンドの両方に設定すれば、その効果は乗算されて「火属性キャラの攻撃力が25倍」に跳ね上がります。

パズドラの初期に「ドラゴンタイプの攻撃力が2.5倍」のリーダースキルを持つキャラをリーダーとするパーティーが猛威を振るいました。この場合、リーダーとフレンドで6.25倍の倍率となります。
その後「HP満タン時に攻撃力3倍」のキャラが出てきて覇権を取りました。リーダー×フレンドで倍率9倍。リーダースキルの数字上は倍率が0.5倍変わっただけですが、総火力は1.5倍近くに跳ね上がりました。
更にその後覇権を取ったキャラは「4属性同時攻撃の際に4倍」。こうなるともう、リーダー×フレンドで16倍。
どんどんインフレは進み、パズドラの環境をぶっ壊してyahooニュースのトップ取り上げられるまでの話題になった「曲芸士」は「回復2コンボで攻撃力7倍」。リーダー×フレンドで実に49倍。
そして今となっては10倍や12倍の倍率は珍しくなく、更にそこに加えてHP・回復力にも倍率がかかるものや、特定のパズルを行った際にダメージ軽減等の追加効果をもたらすものもあり、どんなに倍率が高くてもそれだけではもはや環境についていけない惨状になりました。

 

敵として出てくるモンスターのHPが、リーダースキルのインフレがいかに恐ろしいかを如実に表しています。。
初期の最難関クエストである「ゼウス降臨!」のボス「ゼウス」のHPは『385万3937』。
最近の難関クエストらしい「エルメ降臨」のボス「エルメ=ク」のHPは『1億3391万7780』だそうです。
※パズドラ究極攻略データベースで調べました。
http://pd.appbank.net/

見事なまでのインフレですねw

ちなみにモンストの敵のHPも見てみると…
最難関クラスである「超絶クラス」の初代である「イザナミ」
→ラストゲージのHPは『約340万』
最新の「超絶クラス」である「呂布」
(厳密には最新は「ブルータス」ですが、特殊な倍率がかかるクエストなので除外しました)
→ラストゲージのHPは『約660万』
※GameWithで調べました
https://xn--eckwa2aa3a9c8j8bve9d.gamewith.jp/

やはり増えてはいますが、パズドラに比べると全くと言っていいほどインフレしてない事がわかりますね。

 

3.スキルのインフレ

パズドラでは一定ターン経過する事でスキルが使えるようになります。
ドロップの種類を変換したり、敵にダメージを与えたり、直後の攻撃に倍率をかけたり等の効果があります。

このスキルに関しては、以下の3つの方向でインフレしてきました。

①単純に効果が強力になった

例えば、ドロップの色を変えるスキル。
最初は、「木ドロップを火ドロップに変換」「光ドロップを回復ドロップに変換」等が一般的でした、
次に「火と回復ドロップを水ドロップに変換」のように、二色まとめて変換する強力なスキルが出てきました。
そして、盤面全体に効果を及ぼす「花火(例:全てのドロップを火ドロップにする)」や「陣(全てのドロップを火・水・闇のいずれかにする)」等の更に強力なスキルも出てきました。
このように、同じドロップ変換でもだんだん強力になってきています。

②使用ターン数が減った

スキルが使用できるまでにかかるターン数も、だんだん短くなっています。
ちょっと調べても正確な数字が出てこなかったので間違っているかもしれませんが、例えば二色のドロップを他の色のドロップに変換する「ダブル攻撃体勢」は、確か出てき始めの頃は最大スキルレベルの時に12ターンくらいだったような記憶があります。
それが今では8ターンで打てるみたいです。
更に言えば、覚醒スキルに「ダンジョン開始時のスキルターンを短縮する」効果のものがありますので、現環境においては重いスキルでなければ割と開幕0ターンでスキルが使用できる状態になっている場合が多いです。

③複数の効果を同時に発動するスキルが出てきた

単一の効果ではいよいよパターンが尽きてきたのか、最近では更に「複数の効果を同時に発揮する」スキルが増えています。
つい最近実装された「ヨグ=ソトース」というキャラクターはまさにその象徴とも言えるスキルを持っています。
yoguso.jpg
「全ドロップを光と回復ドロップに変化。
最大HPの40%分HPを回復、
バインド状態を4ターン回復。」
強力な回復込み二色陣の効果に加えてHPを回復し、バインドまで回復。しかも一つ一つの効果もかなり大きめ。
これが13ターンで打てちゃうみたいです。
前述の、ドロップを2色変換するだけで12ターン必要だった時代から比べると、やはり恐ろしい程のインフレが見て取れますね。

ついでに、この「ヨグ=ソトース」、リーダースキルも効果がいろいろついていますねw
「HP80%以上で、攻撃力が6倍、79%以下で2.5倍。
光の2コンボ以上でダメージを軽減、攻撃力が3倍。」
恐らくモンスターが増えてきた為に、スキルもリーダースキルももはや単一の効果では差別化が不可能なレベルになっているんでしょうね。

 

4.度重なる強化システムの追加

パズドラは、定期的に新たな強化システムを実装し、その度にモンスターは飛躍的な強化を遂げてきました。

私がパズドラをやり始めた頃は、たしか「レベル」と「スキルレベル」、そして「通常進化」「究極進化」があるくらいだったと思います。

①進化の種類
まず通常の進化と別に「究極進化」があり、通常進化との細かい違いは省きますが、通常進化よりも強力なモンスターへと進化できます。
「覚醒進化」は「究極進化」の更に次の段階更に当たる進化で、更にその次の段階の進化として「転生進化」まで追加されました。
[初期状態]→[進化]→[究極進化]→[覚醒進化]→[転生進化]
こんな感じです。
ただしこれに関しては、インフレに寄与したというよりも、時代遅れになった旧キャラを救済する為の新たな進化形態を追加されたという意味合いが強いかもしれません。

②覚醒スキル 2013年9月13日に実装。
モンスター毎に複数の(だいたい6~8個とか)効果を及ぼすスキルを持てます。
「4個消しで攻撃力1.5倍」「列消しで全体の攻撃力1.1倍」「スキルターンが1短縮」など、様々な効果があります。
一つ一つの効果は決して大きくはない(かといって小さくもない)ですが、前述の通りモンスター1体につき6~8個の覚醒スキルを持つので、パーティー全体で見れば40個近くの効果を持つ事になり、覚醒スキルの実装によって環境は大きく変わりました。
たまに「覚醒スキル無効」となるダンジョンがあるので、そこに行ってみると覚醒スキルの恩恵がいかに大きいかがよくわかります。

③潜在覚醒スキル 2015年7月16日に実装
上記の覚醒スキルに似ていますが、モンスター毎に持てるスキルが決まっている覚醒スキルに対し、自由に好きな効果を持つ覚醒スキルを5~6個まで付けられます。

④スキル継承(アシスト) 2016年3月16日に実装
他のモンスターを装備品のようなイメージで継承し、そのモンスターのスキルを使用できるようになるシステムです。
また、同じ属性のモンスターを継承すると、パラメータも上がるみたいです。

⑤覚醒バッジ 2016年7月13日に実装
これはモンスターでなくパーティーに対してバッジを一つ設定できるもので、操作時間を延長したり、パーティー全体のパラメータをアップしたりできます。

 

一方モンストはどうか、というと。
私が始めたのが約3年前、当時モンスターを強化する要素といえば
「レベル」「タス」「進化(&神化)」「わくわくの実」等がありました。
そこから現在に至るまでに増えた要素といえば…

①獣神化
進化の種類が通常進化、神化の他に「獣神化」が追加されました。
わくわくの実が二つ付与できる他、進化や神化よりも強力な性能になります。
ただしこれもパズドラにおける「覚醒進化」「転生進化」等と同様、旧キャラを救済する為の新たな進化形態という意味合いが強いと思われます。

②ラックスキル
その名の通り、運が良ければたまに発動するスキル。
たまに強力なクリティカルダメージを与えたり、敵からのダメージを軽減したりします。

これぐらいでしょうか。
初期と比べてもそれほど強化するためのシステムは増えていないですね。

 

■インフレが起こると何が問題なのか?

単純に倍率や数値だけを見ても、桁が一つ二つ変わるレベルのインフレがパズドラに巻き起こっているのがわかりますね。
じゃあ、そのインフレによって、パズドラにどんな問題が発生したのか、考えてみました。

1.お金を掛けて手に入れたキャラが使えなくなる事がある

最高レア度の星6フェス限と言われるキャラでさえもインフレの波に飲まれて時代遅れになってしまうケースも多いです。
それなりのお金をかけて、最強の強さを誇るキャラクターを手に入れたとしても、半年後には全く使い道が無くなっている可能性もあります。

2.バランス調整が大味になった

これだけ数値がインフレし、扱う数値が大きくなるという事は、火力が出るパーティーとそうでないパーティーの攻撃力の差も膨大な大きさになります。
火力特化型のパーティーだとボスをワンパンしてしまうのに、耐久型のパーティーだと数ミリずつしか敵のゲージを減らせないなんて事にもなります。
その為、最近のパズドラにおいては「耐久パーティー」というジャンルは前ほど一般的ではなくなったように思います。火力型パーティーでボスをワンパンできるのならば、耐久パーティーを組む必要が無いって事ですからね。

3.「火力を出してはいけない」本末転倒なギミックが出てきた

上記の通り、ある程度インフレが進んだ時期になって、各ステージのボスでさえワンパンで倒せるのが当たり前になってしまう事態が起きました。
その対策として「一定以上のダメージ吸収」や「根性(一定以上のHPから一気に倒そうとするとHPが1残り、そこから強力なカウンターを喰らう)」等のギミックが生みだされました。
しかし、より大きなダメージを与える為に強いキャラを求め、育て、強化するにも関わらず、大きなダメージを出す事が逆に自殺行為となるようなこの対応は、評判は芳しくありません。

 

■終わりに

というわけで、パズドラのインフレがモンストに比べて急激な理由と、それにより起こされている問題をまとめてみました。
インフレはソシャゲの構造上ある程度はどうしても起こってしまうものですが、やはりゲームによって上手くコントロールしているものとそうでないものがありますね。

パズドラは最近は「魔法石10個ガチャ」をいよいよ乱発してきたこともあり、もしかしたら本当に、いよいよ終焉に向かっているのでは?という惨状になってきました…。
これからどうなるのか注視していきたいと思います。